「恋はゲームじゃなく」
作曲:来生たかお 作詞:来生えつこ 『マイ・ラグジュワリー・インザナイト』のさびの部分だ。次に「生きることね」とつづく。ともすれば、恋もゲームになってしまう事を戒めたもの。と年寄は聞いたが「よけいなお世話」であるか。せいぜい馬の後ろには近づかぬようにしよう。
ところで、私がなんでこの歌詞を思い出したのか、すっかり「ゲーム」と化した政界芝居を見せられているからだ。「カネ(金)ギーホール民主」は1年前にオープンしたものの、出し物はお粗末。音は外すは、歌詞は忘れるは、台詞は棒読みだは、で客はドンビキ。近頃は菅孤鳥(かんこどり)が鳴いている。「なに?客がいない!そんじゃあワシにも歌わせろ」とオーナーが言い出してテンヤワンヤの騒ぎ。
この騒ぎの本当の原因は「ひとりじゃなんにも決められない」このクニの属国体質のせいだろうと私は考えている。
さて、この「ゲーム」、どんな結末であっても「反省」は聞かされまい。と書いて、このうえなく上等の「反省」を思い出した。其れを引いて、終わりにしよう。今日も暑いのか。
『 帰 郷
柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ
縁〈(えん)〉の下では蜘蛛の巣が
心細さうに揺れてゐる
山では枯木も息を吐〈(つ)〉く
あゝ今日は好い天気だ
路〈(みち)〉傍〈ばた〉の草影が
あどけない愁〈(かなし)〉みをする
これが私の故里〈ふるさと〉だ
さやかに風も吹いてゐる
心置なく泣かれよと
年増婦〈としま〉の低い声もする
あゝ おまへはなにをして来たのだと……
吹き来る風が私に云ふ 』
中原中也 1907~1937(M40~S12)詩集『山羊の歌』より
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