カミナリが来た
様子のいい娘の言うことなら、たいていのことは「おおそうか、そうなんだ。ごもっとも」とおじさんはヘラヘラ聞いてきた。しかし、「あしたも、猛暑日になりそうです」と言う天気のおねえさんにだけは「ええかげんにせえ」と感情的になった。それほどこの夏の暑気には、切羽詰るところがあった。
ようやく、雨がカミナリとともにやって来た。風も吹いている、叩きつける雨粒に混じって舞い上がった土ぼこりの匂いがする。
パソコン箱を開け「あめが~」と打ったとたんに、「パシャ」という雷鳴を合図に電気が落ちた。
電気を使って表わす「文字」や「絵」、つまり、パソコンやテレビを取り上げられてみると「本当のこと、物や事の芯の部分は伝わらないもの」と思ったことだ。思い返してみれば、神戸の地震のとき、中心部の震度は空白だった。いや、
地震に限らず、論理と想像力だけが、ともすれば、空白である物や事の本質部分を解き明かそうとするのである。
と、ここまで考えたところで電気が回復した。さあ、チャラチャラブログに戻ろうか。
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