2011年9月11日日曜日

肝を煮た

 とり肝のこと
その昔、奈良の「蔵」という居酒屋でこれを覚えた。作っていたのだ。学生だった。アルバイトだった。店は母親とふたりの娘それから一人の板前(彼は寿司を供すカウンターにいた)で切り盛りしていて、それにアルバイトが数名。1970年代半ばのことだ。洗い場担当だった近くの女子大生、彼女の洗剤で赤く荒れた手を思い出した。それにしても、(私のことだ)あんな勤務態度でよく首にならなかったものだ。いや、首になったのかもしれないよく憶えていない。店の酒に手を付けて飲んでいたから。
とり肝のことに話を戻すと、「とり肝一丁ね」と表から声が懸かると裏の厨房では「よっしゃ」と生の肝を煮始めるのだった。煮汁は砂糖と醤油で作っていた、煮立てれば泡の出るほど濃いやつだ。あまり濃すぎると燗冷しで割った。煮汁は使いまわしだから秘伝のタレのようにいい味だったのではないだろうか。五分ほどか、芯に火が通った頃、汁からあげて供した。タップリの山椒の粉を振ったようにも思うが、あるいは好みで客が振ったのかも知れない。そんな気楽な店でもあった。
さて、作ってみようか。肝嫌いは案外いてはるから、ここはクソ・リアリズムでやらしてもらいます。イヤミ?いやこの常備采は血の気の薄い「おふくろ」のためなのだ。私の酒の肴にもなる。常備采だから、居酒屋よりも火はしっかり通すのが鉄則だ。


とり肝ととりの内臓を買った。
食べるヒトの口にあわせて一口大に切る
下茹でをする
その間にまな板を洗い、しょうがとニンニクを用意

酒を底に入れて下茹でして流水でよく洗った肝をいれ生姜・ニンニク
それから砂糖
沸いてきたら、わきに除けていたタマゴを載せて
タマゴに火が通った
醤油を入れて弱火で15分も煮れば出来上がり
その間に風呂にでも入ろう

2 件のコメント:

ヒゲMac さんのコメント...

卵を産まなくなった鶏を田舎ではもってきて処分してくれる宅のところの籠に入れて帰っていたが、その時にそれらの鶏をさばいた時を思い出してしまった。(^^;)

首の血管のところカット!
逆さにして足を紐でくくって近くの水路(といっても田舎の小川のせせらぎですよ、開発なんてされてない)のところへつるしておいておく。
バタバタ動いてくれると尚よろしい!

あつーいお湯を用意して・・・・息絶え血をたらふく出したにわとりをそのまま熱湯へ・・・

なんだか懐かしいです。
命をいただく・・・ここまでやって本当にその命をいただく重みがわかり伝わります。

今の人には「可愛そう・・・」とかなんとか言うだけで・・・食材の事など深く考えた人ってほとんどいないでしょうねぇ。

野良通信 さんのコメント...

コメントありがとうございます。自分で書いておいて、「続きを読む」の所をポチットするのをためらいます。
よくぞ、コメントまでくださいました。感謝。