2009年10月8日木曜日

言葉を集めて つづく

・ 「スバローシー」
メモには「うるさく言われる、やかましく言われる」とあり、『岡山方言事典』(文教出版)には「不機嫌。機嫌が悪い」とあり、『ほんにのうや』では、「不景気な、貧相な、陰気な、険悪な」とある。「不景気で、貧相で、機嫌が悪く、うるさくやかましく言われること」には事欠かないが。「スバローシー」とは言わなくなった。
ところで、『岡山方言事典』に、「スバローシーのもとの語形はスバラシー(素晴らしい)で」「これには意味の逆転がみられる。」と書いてあった。これはほんとだろうか、方言学では常識なんだろうか、皮肉を好むわたしは「スバラシー」と言いながら相手を否定する事は嫌いではないものの、われ等が祖先はそんなにスレていたのだろうかと思った事だ。
否定が生まれ定着する条件は、主体が安定して存在している必要があろう。われ等が祖先は「スバラシ」を連発していたのだろうか。わたしはむしろ、古語における否定の言葉、スサブ、スザマジ、スバリ=せまい、スバル=しぼる、などが方言化した可能性を追いたい。
それはそれとして、「スバロー」を追って「スバル」にいったら「昴」に出会った。昴はこれからの季節、しばらくは、夜空の真上にある七ツ星の星団である。これはどうやら「統(す)ばる」=(集まってひとつになる)からきているらしいのだ。この発見こそ、私にはスバラシイ。

0 件のコメント: