2009年10月6日火曜日

言葉を集めて つづく


・ 「シコロ」
97.4.30メモによれば「本屋根の下にとりつけた片屋根」とあり、稚拙な図(左図)も書き付けている。この言葉は聞いてのち、何度も聞き返し、指差しで説明されてやっと理解したと思い出した。『奥備中の方言 ほんにのうや』によれば。「シコロ」は「家のひさし」とある、これだろう。それはそうとして『ほんにのうや』には別に「いいかえてみたら-逆引き方言」の項が付録のようにあって、やらなくていいのに試しに、「ひさし」を見れば「ヤネジリ ノキバ」とある。?と、なった。この行き違いはどうしてなのか、タダのウッカリなのか、それとも「ノキバ・ヤネジリ」と「シコロ」は全く別のものを示しているのか。実際に私の出会った「シコロ」に立ち返ってみると、それは先に記したように本屋根の下に後から取り付けたトタン葺きのもので下の土間では農作業ができるスペースがあった。中国山地では季節により「キタケ」(北気?)と呼ばれる霧雨がある。これを防ぐ利便性が「シコロ」にはありそうである。辞典にあたると、確かに「シコロ」という言葉はあるのである。それによれば「かぶと・ずきんの左右・後方に垂れ下がって首筋をおおう部分」とある。ずいぶん古式ゆたかなる言葉だったのだ。つまり、屋根のつづきで壁より外に出た部分をひさし=ヤネジリ・ノキバと言い、屋根構造全体からみての役割分担として「シコロ」があると私は理解した。したがって、「シコロ」にも「ひさし」はあるのである、何処からがそうかは定かでないにしても。さてここで問題です。シコロは兜からきてひさしにたどりついたものか、それともひさしから兜にたどりついたものか。ちなみに「しころ」を漢字では「錏」と書くらしい。

付記 図を入れようとしたが、うまく行かなかった。ならばと写真を入れてみた。

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