2010年12月12日日曜日

『病牀六尺』

病が来た つづき
そんなわけで、『病牀六尺』正岡子規を思い出した。確かここにあるはず、と「阿部昭全集」を仕舞っているダンボール箱をひっくり返して見つけた。うっかり腰を痛めたのは、笑えぬおまけだったが。

『病牀六尺』を掘り出してみると、同じ岩波の文庫で『仰臥漫録』『飯待つ間』が一緒に出てきた。どうして阿部昭のダンボールに入っていたか、それは、後の二冊『仰臥漫録』『飯待つ間』の解説を阿部昭氏が書いているからだ。
正岡子規はテレビドラマ「坂の上の雲」で、今や時の人だが、大日本帝国賛美のヒューマンドラマの脇役に納まりきらぬ人物でもあったようだ。阿部氏の意を尽くした解説があるから、私などが出る幕は無いが、未読の方にさわりだけを。
『仰臥漫録』より。「よく見て、見たままを書け」と言っていた彼は、まさに(スケッチまで添えて)そうしたのである。

0 件のコメント: