ヒネクレもんに春
畑に行くと、イイ匂いが漂っている、焼肉の匂いだ。たいがい、近くの産廃施設の油染みたキナクサイ匂いが漂っていたりするものだから思わず発生源を探すと桜だった。
畑のある谷の川土手を市が公園として整備していてそこに、数十本の桜が植えられている。それに木の数倍のヒトが群れて肉を食って騒いでいるらしい、遠くまで届く甲高い子供の声が聞こえている。
公園に植樹は桜。この三位一体、単細胞の役人の発想には以前から呆れている。それはそれとして。
この季節になると、見渡せる山のどこに桜の木があるか、その派手な花で直ぐに解る。この木は「ひそかに・ひとしれず・しとやかに」ができない木なのだ。どんな山深くにあっても「宴会請けタマワリマス」なのだ。
ためしに、ひとりで、そっと満開の桜の下に行ってみると、目に見えぬくらいの小さな羽虫が飛び回っているのに気づくだろう。それを狙ってなのか、鳥も飛び来たって枝を揺らす。こころもち桜餅の匂いもするようだ。
夜、犬たちと、ひっそりした公園に行った。そこで、発見したものは、「無い」ということだ、例年ならば、お花見後にはゴミが散乱している、それが今年は「無い」。こうして世間は少しずつ変化してゆくものなのか。
幹や枝を隠すほど咲いた花は意外なほどの空間に広がっている。
犬たちには、さまざまな食い物の残り香がしていて、興味深い散歩だったようだ。
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