2010年4月26日月曜日

ブログの孤独 つづく

井上ひさし氏の死


彼の書いたものの三分の一ぐらいは読んでいるだろうか。1934年生まれというから、私より、ちょうどふた周り前に生まれた彼の書いたものを読んできた。おおげさに言えば、私の青春と供にあった。いや、「ひょっこりひょうたん島」は見ていた。歌えと言われれば、出だしの歌を歌ってしんぜようかしら。

ヒトは永遠に生きるわけではないから。死を知ればある感慨もある。「良きことも、悪き事ももうできないんだ」。ツイッターみたいに書きたいと始めたからもう終わりにしたい。私の好む彼の物語は「四十一番の少年」「月なきみそらの天坊一座」。いづれも、一生懸命な少年が出てきて、せつない思いを展開する。彼の描いた、いや。彼自身のせつない思いをどう評価するか、これからは、この時代が逆に問われるのだろう。「国家と市民」。「権力の分析」。かれのテーマをそうまとめて、「知の巨人」みたいないいかげんな言説で終わらせようとしてるみたいだけれど。私は、彼は生涯をかけて「けなげ」の復権を試みたと思う。そして、それはそれで、充分ではないか。

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