2010年1月10日日曜日

機械いじりの楽しみ つづく

機械いじりのゆくへ


どうやら、陽の光のあるうちは、屋外で機械をいじり、飽きればコトバというパターンが、私にはあるようだ。



さて、ギヤボックスをバラシてみよう。絵の上の長い軸が車輪を回す軸である、下の短い軸は変速の必要な動力を取り出す軸である。下の軸に隠れて見えないが、エンジンからの力をこのギヤボックスに入れる軸がある。こうして書けば、もうお解かりのように、ギヤボックスの仕事はそれにつきるのである。力をつなぐか切るか、が先ず第一の仕事、次に、繋ぐとすれば、どのくらいの割合でそうするか(この場合は回転スピード)を調節する仕事が第二の仕事。それだけである。


バラシた絵、30年前に組み上げられたギヤはそのままに錆びることなくそこにある。ギヤケースはアルミ製、歯車は鉄製である、必要な軸にはベアリングがかませてある。このギアボックス設計者は全てにベアリングを使っている、このギアボックスだけを取り出せば、後百年は使えるだろう。私は夢想することがある、千年後、ギヤボックスを掘り出した考古学者がその歯車の美しさと論理構造に驚く事を。


エンジンにかかろうか。発電用コイルと点火用センサーが付いていた蓋を外すと、ふたつのギヤが現れた、このギヤの歯数は一対二である。数えて見てください。と書いて絵を見れば、少しむずかしいか。ともあれ、ベンツであれ、運搬車であれ、およそ四サイクルエンジンの基本はこれである。むろん、資本主義生産様式で作ろうが、社会主義生産様式で作ろうが、この歯数比は変わらない。
歯数の多い方の歯車は樹脂製である。シリンダーヘッドにある吸気弁、排気弁を動かすだけの力しかこれには掛からぬからそんなに丈夫でなくていい。しかし、樹脂で?とは、とこの絵を写した後外しにかかると、簡単にぼろぼろに壊れた。
ギアとギアとのかみ合わせ部分に小さくマークが打ってあるのをお気付きだろうか、この歯車は、互いに組み合う相手の歯が決まっているのである。運命の赤い糸は、私の介入によって長年の呪縛から解放された?のであろうか。



つぎにオイルパンを外した、この絵はエンジンを真下から見たものである、中央の四つのボルト部分がクランクに付いているコンロッドの部分である。予想したようにふたつのコンロッドがひとつのクランク軸に付いていた。この上下のボルトとボルトの距離が上から見たシリンダのずれの距離なのである。私は素人であるから、ここからは想像だが、V型二気筒は単気筒の変種、応用でやれるものらしい。三、四、五、六、と気筒数が増えればまた別の話になりそうだ。付け加えれば、V型2気筒を単気筒と考えれば、V4は二気筒、だしV6は三気筒、V8は四気筒、V10は五気筒、V12は六気筒なのである。自動車のエンジンにV8までは、よく使われている。そしてV10、V12はF1のエンジンによくある形式である。こうしてみれば、我々はここ100年、同じ歌の変奏を歌って来ただけ、なのではないのだろうか。

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