2010年1月13日水曜日

機械いじりの楽しみ つづく

機械いじりのゆくへ つづき



「事」であれば、どこまでやったものか、思い出したりしなければならぬが、「物」はやった時のままにそこにあるのである。私は半端百姓で米を作っているが、田を耕したり、田植えをしたり、稲刈りをしたり、そんな事をしたいがために百姓をやっているわけではない。ただ、自分の作った一碗の新米を食らわんがために、百姓をしている。だからいつも、誰か耕しておいてくれんかな、誰か、田植えをしといてくれんかな、稲刈りを済ませておいてくれんかな、と心の底から思うが、いつでも「物」は昨日やったところのままそこにあるのである。「ラエ」の先生が元気なときは、田圃に行ってみれば、耕してあったこともあったのだが。

さて、バラシてしまおう。


ここから、始めよう、OHVはOHCやDOHCに比べて簡単とはいえ、シリンダの上にこれだけの、しかけが載っているのである。これは、まだそれの一部でしかない。

シリンダは、まだ外していない。手前に置いているのがヘッドの部分。オーバーヘッドの形式はヘッド部分にこれだけの仕掛けを必要とする。

シリンダはこれ、このなかで燃料を燃やすことで、すべては始まるのである。むこうのピストンが心細げにしている。


ちょうど、近くにあったペットボトルを逆さに入れてみた、このくらいの大きさのものです。



これがクランク軸。これだけをみれば単気筒と変わりない。ただ、ふたつのコンロッドが付いていた形跡が残っている。クランクケースに載せて写したこのクランク軸について、もう少し書こうか、左からゆく。ここには、389ccにしては重いフライホイールが付いていた、重さを量れば5キログラム近くあった。ギヤがある、これはOHVバルブ駆動用のもの、これを1として、2の歯数の樹脂製のギヤがかまっていた。つぎにベアリングケース。それから、先ほども書いたコンロッドの付いていた軸。この軸と、ベアリングの付いている軸との差(長さ)×2がこのエンジンのピストンストローク(ピストンの往復する長さ)なのである。次に、大きなボールベアリング、その次には樹脂製の歯車、これはこのエンジンを潤滑するオイルポンプを動かしていた。そしていちばん右端にはアルミ製のプーリーが付いていた。ここから動力を取り出す。これだけである。

ヒトの社会の複雑さに比べれば、機械の構造は実にシンプルなのだ。

こころの屈折したときには、機械をバラスことをお勧めする。先人の工夫と勘違いとがそこには詰まっている。

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