2010年11月7日日曜日

一億総懺悔

一億総懺悔(いちおくそうざんげ)
さっきまで、NHKスペシャル「借金862兆円はこうして膨らんだ」を見ていた。大蔵省の関係者の証言は、時代が下るにつれて、発言に歯切れが悪くなっていった。このクニのエリートは時代を見通す能力も、またその能力の無さに責任を感じる感性も無いことが解った。番組のまとめに、「増税を拒否してきた国民」にも責任がある。と結論づけていたが、どこかでこの論理は聞いたぞ、「一億総懺悔」。敗戦後この論理が戦争責任を曖昧にする、役目を帯びて流布された事はご存知だろう。またぞろ同じ論理にだまされるほど、国民は愚かであろうか。
それにしても、税の話題は税の本質、「所得の再分配」をどうするのかということを忘れたとたんに、こんな乱暴な番組になってしまうと思ったことだ。彼らの否定する「増税反対」の国民世論は、「税の公平な負担を」というのが主張だったはずだ。プラカードの日本語を読みとれぬほど彼らの言語能力は低下しているのだろうか。
最近の世相に目を転じてみれば、中国、ロシアに関しての反応もそうだが、冷静を失っているのではないのか。税に関してもまた、冷静な論議も出来ないほどのこのありさまだ。借金の額の絶望的大きさもさることながら、私はそのことの方が心配だ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

家にテレビはありません。壊れたのを機に卒業しました。夫は「これで、人間性を取り戻した。」と。静かな暮らしです。国の債務は政権を維持するために赤字国債を出し続けた結果ではないですか。自分を振り返って、何の恩恵も受けなかった。今になって借金をどうしてくれる?と脅されてもね。消費税が取りざたされていますが、公租公課に、いざという時のためにやむなく掛ける保険、医寮費の自己負担、教育費などを足すと、国民の負担は北欧より高いと思います。それでも政府が作った赤字を私たちが返す責任があるのでしょうか?そんな余力が国民に残っているとは思えません。番組を見てどう思ったのでしょうか?

野良通信 さんのコメント...

コメントありがとうございます。
テレビのない生活は試してみた事がないけれど、案外、快適かもしれませんね。テレビのあるが為にこの記事に書いたような事を見せられて、いたずらに憤りが増すばかりだ。官僚のいいかげんぶりは、知らなかったわけでもないし。これだけ、夢見がちな、博打打とは知らなかったけど。
このクニは、行く当てもなく漂流しているようなものかもしれません。目前に氷山が迫っているのに、船内ではパーティーをしている。
国民の是非の判断に関係なく、早晩借金の付けは、国民の肩にかかるわけで、大きすぎてつぶせないなんて「冗談みたいな対応」は許されない。これこそ冗談ですが、借金ごと、アメリカに買って貰ったらどうか。アメリカもわが身の一部と思えば、無茶な要求はして来ないだろうし、基地問題もはなから問題にならない。
買わないだろうな、年寄りだらけの、借金まみれのクニ。