2010年11月28日日曜日

菅氏の勘違い

管氏の勘違い
APEC議長記者会見。 20101114日 。記者の質問に答えて、「管」氏の発言。
 「若い人が農業をみんな嫌っているのか。私はそうではないと思うのです。つまり,農業がやりたい,あるいは,農業ならやってみてもいいと,そういう思いを持っている若い人はたくさんおられると思うわけです。しかし、残念ながら,日本では農業をやっていなければ農地を買うことができないという農地法が」
「基本的に自作農を守るという立場で作られた農地法が,その後の時代変化の中で,若い人が農業に自由に参画する,あるいは,いろいろな,現在でも農業法人は認められておりますけれども,一般法人が農業に乗り出すといったことにかなり制約になっております。」
抜書きだから、正確を欠くかもしれない。彼のその場限りの思いつきであるかもしれない。違った日の、違った場所での菅氏の発言。1116日、衆院本会議。「若い人で農業をやりたいと思っている人はたくさんいる。自由に障壁なく農業に参加できるように農地法など法体系も見直す必要がある」(山陽新聞1117日より)
同じ記事に菅氏の現状認識がある「わが国の農業は貿易自由化とは関係なく、後継者難にも苦しみ、このままでは立ちゆかなくなる状況に陥っている」


このごろ、ブログの記事が長くなる傾向があって、自分でもウンザリしかけている。短めに済ませたい。以下、二三の疑問を述べて、感想を書く。まづ疑問。
1、            平均年齢、65.8歳を強調しているが、農業は家業で定年は無いのだから、定年のある業種との単純な比較は意味が無かろう。むしろ、家業の農業を何故、子が継ごうとしないのか、その事こそ問題の本質ではないのか、これは、農地法(の障壁)とは何の関係もなかろう。
2、            農業に参入するのに、農地法が障壁になっているという。どんな業種であれ、最低の資格は問われる、教師、弁護士、理容、美容、議員。資格を問われるのは当たり前ではないのか。そのうえ、「若い人で農業をやりたい人」と「企業の参入」を同列に扱うのは乱暴にすぎる。法の体系では個人と企業と法人はそれぞれ別の扱いを受けるのは常識だ。味噌も・・も一緒の議論は稚拙である。
3、            長くなるこれはやめて
感想である。以下
.農業生産物は商品であるが、特殊な商品でもある。我々は、それ無しには一日たりとも、生命を維持できない。米・野菜・肉などなど。これを工業製品と同列に扱うのはどうか。前にも書いたが、これ程、普遍、無償で流通している商品はあるまい。
2.いわゆるリーマンショックの時、どんな論議をしていたか、忘れたのだろうか。大量の労働者が巷に投げ出された時のことだ。「農業で吸収したらどうか」と政府も民間も盛んに言っていた。このように、景気の手軽な調節弁として、「農業」を位置づけてきた。粗末に扱ってきた、食い物にしてきた。これこそ、諸悪の根源ではないのか。
長くなった。


追記。手元に「農業委員会だより 72号」が配られてきた。「農地を売買・賃借したり転用するときは・・・『農地法の許可が必要です!!」との記事がある。罰則(罰金一億円)まで記載され物々しい。さっそく、電話を入れ、職員に聞いてみた、「罰則を適用された例はあるの?」と聞けば、「私はこの部署に20年いるが、記憶にない」とのこと。私の頭をよぎった事はふたつのことだった。1、みんなこの法を守るので適用例がない。2、適用する気がなく放置して、官民みんな適当にやっている。身近を観察すれば実態は後者であろう。
「そういえば」と私。「このまえ、農地法違反で、逮捕され市議会議員を辞めたケースがあったけど、あれはどうなん」と聞けば、「あれは贈収賄で起訴されたんです」とのこと、へー。
菅氏は「農地法」について、あれこれ言うが、まず厳密な適用を指示して見たらいかがかと思う(これこそが彼にしか出来ない仕事)。悪法も法なのである。現状のままで農地法をいじれば、「法に違反してないのだから」という理由で農地は企業に食い荒らされてしまうだろう。

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