2010年11月18日木曜日

オコゲ(飯)のコツ

おこげ()のコツ
男子厨房としては、「食べたい」と言うものを、作れなければ沽券にかかわる、「おこげ、そりゃーええわ」と言われれば作るしかない。しかし、これが意外と難しい、出来たり、出来なかったりで。
オコゲを好むつれあいに、「コツ」は何かと聞いてみた。というのは、彼女は小学生にして家の飯炊き係、兼務、風呂焚き係であり、その上「おこげ」作り名人だったからだ。
その昔の「名人」の家は専業農家で三世代暮らし、彼女の兄弟姉妹4名、両親、祖父母、とこう記しても、10人分の飯炊き。それに加え毎日、安定的に「おこげ」を供給していた彼女は「名人」と呼ばれてもよかろう。聞けばあれこれ思い出は語るものの、どうもコツなるものを彼女は考えてみた事もないみたいで、トンチンカンのやりとり末、私は解った。「良きおこげは、敢えておこげを作ろうとしない、欲なき精神に訪れる」という事を。
私も迂闊であった、30年近く彼女を観察してきて、なを、その性格のまま小学生であればそういうことなんだと発見した。
これからは、想像である。当時の彼女の行動についての。ハガマに米を入れ適当に洗い、クドにそれを仕掛けた彼女は、炊きつけに火を放ち、ハガマが沸騰すれば、どうしたか、遊びにいった。クドは、ガスと違い、幸い、熾き火が燃え尽きれば火は消える。放って置けば飯は炊けて、おこげもできるに違いない。やがて、遊び歩いた後、帰宅した彼女は、お腹も空いているし、おひつに入れるにはばかられる「おこげ」を、(固焼きの煎餅の様なそれを)晩飯前に心置きなく食らうことが出来ただろうこと。見たわけではない、これはあくまで想像である。
ハガマの中で米は、焦げ始めてから炭になるまで、ずいぶん余裕があるみたいでこれが小学生名人を生み出した一番の功労者だろう。
「おこげ」の良いところは、その香ばしさかもしれない。欠点はといえば、硬いところだ、差し歯では少しく尻ごむ硬さがある。香ばしさを活かして「おじや」に炊いたらどうだろうか。
これからは、小学生「名人」の呼吸で「おこげ」を作ろうと思っている。コツはただひとつ、遊びに行くこと、腹を空かせて食らうこと。
尚、「09.12.27」のこのブログを検索していただければ、飯炊きの項目があります。その時はまだ解っていなかった。

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