2010年9月2日木曜日

かわいそうな網戸

これは網戸である。それだけではなくカワイソウな網戸なのである。


家の犬猫の諍(いさかい)が網戸をこうさせた。発端は、いたいけな仔猫を庭の犬どもが食い殺したことにある。いやその前に犬の鼻先に三本ほどの筋をつけたのは猫である。爪あとから血がにじんでいた。
原因はともあれ、血を血で洗う抗争は内からの猫の攻撃、外からの犬の攻撃で網戸にかくのごときの哀れをとをとどめさせたのである。
双方、この暑気にあたったものか、今は休戦状態である。私は秋の風が吹き始めるのを待つ身であるが、あいつら、秋にはまたやるのかと気が重い。できることなら遺恨は忘れてもらいたい。

アメリカがイラクから軍を引くという。アメリカ正規軍の犠牲者数はカウントされていて、4400名という。イラクの犠牲者のカウントは11万以上である(新聞による)。

かわいそうな網戸を見ながら思ったことだ。こうしてみれば、理由のいかんにかかわらず、戦う双方の傷よりも、その戦いの被害者の傷は深く、なを、いつまでも癒えぬのものなのである。と。

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