2010年9月15日水曜日

池のこと またまた

溜池のことをもう少しつづけて

池の排水システムを説明してみよう。当たり前のことだが溜池は水を(雨水を)溜めておく装置だ。溜めておいて必要な時にはその水を取り出す。どんな仕方で?

ここでは、風呂釜を想定してみよう、あなたが「風呂の水を抜いておいて」と頼まれたらどうするか、洗面器で汲み出すことはあるまい、底に仕掛けてある栓を引き抜くだろう、栓には鎖が付いているから、手を濡らすことなく出来るだろう。これが無くて毎回洗面器で汲みだす事となれば「なんでわしがせにゃあいけんのなら」とあなたはおかんむりだろう。

池も同じ、底に穴が開いていて栓を抜けばきれいに全部排水する。

さて、池は風呂と違っていちどきに全部抜けては困る。そこでヒトがコントロールしながら必要な水を取り出すにはどうするか、池底の穴に仕掛けをしておく。

この仕掛け、私の知る限りでは、ふたつの方法がある。

ひとつは、「バルブ」。丸い穴とスライドする蓋(ふた)で出来ている。動作のイメージは少量の排水時には三日月の形の穴から、水量を増やすにつれて、半月、満月となる。このやり方では、必要なだけ水を抜けば、バルブを閉め新月の状態にする必要がある。私の知る「バルブ」は金属製である。

もうひとつは「ハチノコ」。筒状のものの一方を、池底の穴に接続し、一方は水面に出しておく。この状態では、つまり、大気は池底まで貫いているということだ。さて、水を抜くにはどうするか。筒の先を水面下に沈めればいい。実際には筒状のものに一定間隔で穴を開けておき、それに栓をしている。水を抜くには水面に近い穴の栓を抜くのである。池の水は、その穴のところまで排水されそこで自動的に止まる。付け足せば、「ハチノコ」という名前の由来は、今のところ私にはわからない。

このふたつの仕掛け、それぞれ一長一短がある。それを述べれば、使い勝手はどうか、耐久性はどうか、ということになろうが、このくらいでおしまいとする。
溜池が選れて人工のシステムであることを、お解かりいただけたかと思う。小なりといえど、琵琶湖とは違うのである。

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