2009年11月17日火曜日

言葉を集めて つづき

・ 「トウス」


「籾摺り」のことである。これを「トウス」と言わない人がいることは、最近知った。「ヨウス」と言ったりするらしい。『ほんにのうや』には「コナス」と言うとある。そういえば、つれあいは「ぐずぐずせずに、はようこなされえ、何時するんで」と角を生やしていたから、中国山地あたりではそう言うらしい。しかし、どうやら、「トウス」は「唐臼」から来ている歴史ある言葉らしいのだ。この島国が、「政府」「議会」などという言葉を知らず、「哲学」みたいな言葉も無い、むろん、大陸や半島を蔑視することも知らなかった、そんな時代に唐臼は籾摺りをしていたらしいのだ。なにしろ、唐から来たるところの臼であるのだ。

ところで、今日、その「トウス」をした、一人で。電気モーターを動力とするそのシステムは、15俵、1トン近い玄米を籾すりする。3時間で。ひとりで出来るようにシステムを組み立てたのは私だから、文句は言えないにしても、まるで「モダンタイムス」のありさまだった。ピーピー、ブウブウ、そら早くしなさい、と機械システムがせかしにせかす。この時代、機械の主人であることは、むずかしいことである。

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