2009年12月16日水曜日

言葉を集めて つづく

・ 「サスノボオ」


メモには「天秤棒・モロトの木で作る」とある。おそらく、自分で作ってみたくなって、「ラエ」の先生に聞いたものだろう、モロトは大きくはならないが丈夫な木だ。凸凹の無いようにきれいに磨いて、肩に当たる部分は幅広がいいから、断面はできれば楕円にして、両端に滑り止めの突起を付けた、実にシンプルな農具。鎌、鍬、鋤、など遥かに歴史を旅してきた農具の中で、すっかり姿を消した物のひとつ。(他に「フゴ」があるがこれはまたの機会に)「サスノボオ」は物を運ぶための道具だから、水を運び、藁を運び、土を運び、石を運び、およそ人力で運べる物は何でも運ぶ、糞尿だけを運んでいたわけではない。この道具の優れているところは、ヒトの歩けるだけの巾があれば、どこででも使えること。軽四トラックが入る道がないと、百姓は出来ないなどと、ふやけたことをいう時代には、無用の物となった。さて、この道具はそれぞれの地域で、それぞれの職種で様々に呼ばれていたと想像される。『ほんにのうや』には「六尺棒」とあり、分厚い辞書には「おうご」というとある。

ここまで書いて、時代劇には登場していると気づいた。あれです。魚屋のほらあれが(ここから名前が出てこない)。

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