2009年12月30日水曜日

言葉を集めて つづく

・ 「ホンムラ」


本村。だろう、方言ではない。同じ村組織(行政上の単位・大字(おおあざ)がそれに当たるか、)に属しながら、地理的には少し離れている分村からの言い方。

少し、話をすべらせてもいいか。

本家・分家・新家(しんや)という言葉は、今でも違和感なく存在している。65年前の敗戦を契機として、廃止された「家制度」の名残だ。

「家」は血縁を元とし(養子という裏技はしばしば用いられたが)何百年にも亘り、生産集団・財産管理(相続)・婚姻(血縁の管理)など社会を形作ってきた基礎的な単位だった。一方、支配する側からも、有効便利な単位であった事は想像できるだろう。今でも、町内会の基礎単位は個人ではなく「家」だ。付け加えれば、この仕組みの最大の特徴は「個人」が存在しないというところにあった。

これを、無くしたのだから、革命的な変化だった、この上からの「革命」は何故必要であったか、教科書にあるような「封建制の一掃」の為など御託なのである。理由はただひとつ、何処へでも移動可能な、どのような職種も選択できる、(したがって飢える自由もまた手にすることのできる)いわゆる「自由な労働者」を生み出すためだった。「スラム」も「年越し派遣村」も65年前に用意され予測されたことなのである。

「家制度」を廃止した後始末は、まだ付いてはいないのだ。「家制度」を歴史の脈絡の中に眠り込ませる、この複雑で困難な仕事は全く新しい政権の仕事になるだろう。このこと。

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